琉球船舶旗

2012年03月26日/ 社史資料

3月26日(月)

皆さん、「琉球船舶旗」というものをご存知でしょうか・・・?


国際法上、船舶は航行する際、国旗を常時掲げなくてはなりません。

しかし戦後、琉球籍船舶に日の丸が掲揚されるようになったのは、

1967年7月1日からで、それまでは国際信号旗のD旗の端を燕尾状

に切り取ったものを「琉球船舶旗」として使用していました。

ちなみに、国際信号旗とは海上において船舶間での通信に利用される

世界共通の旗のことで、D旗は「我を避けよ。我操縦意の如く成らず」

という意味です。まるで当時の琉球政府を象徴していたかのように・・・。


そしてこれが不審な旗を掲げた国籍不明船として拿捕や銃撃を受ける

などの数々の悲しい事件を惹起したのです。



このような事件をきっかけに琉球籍全船舶の安全保護上、日の丸掲揚

の声が挙がり、米国統治下にある沖縄の地位上の問題もあって政治

問題化し、琉球政府立法院や日本の国会でも取り上げられ、日米協議

委員会の討議を経て、船舶の日の丸掲揚はようやく日の目をみたのでした。

これらのことから、当時の沖縄にとって日の丸掲揚がいかに重要だったかを

感じさせられます。

1962年の新聞で、当社船「琉球丸」の船上で日の丸の贈与が行われたとき

の様子が掲載されており、日の丸掲揚がいかに切実な願いだったということが

このことからもわかります。実際に沖縄の全船舶に日の丸が掲揚できるように

なったのはその5年後でしたが、この出来事は沖縄の多くの方々に希望を与えた

ものだったと思います。


琉球船舶旗
1962年 船員しんぶん



このように沖縄の歴史を知る上でとても重要な「琉球船舶旗」ですが、現物は

ほとんど残っていないそうです。

そこで、この度当社は、錦屋旗店株式会社様のご協力の下、「琉球船舶旗」の

復元を行いました。


琉球船舶旗
琉球船舶旗



沖縄の歴史上の重要な資料として当社で大切に保管します。



錦屋旗店株式会社様は昨年100周年を迎えた沖縄の老舗で、
「『満足』を納品し『感動』を共有します」
をスローガンに、地域に根差した旗やのぼりの制作を手がけています。
そして今回、沖縄の歴史上の重要な資料として琉球船舶旗の制作を快く
引き受けてくださいました。錦屋旗店の皆様、ありがとうございました!!


琉球海運ホームページ
http://www.rkkline.co.jp



同じカテゴリー(社史資料)の記事

Posted by RKK at 12:03